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リエゾン活動について

当院では、「初発の骨折を防ぎ、骨折の連鎖を絶つ」ことを目的とした「骨粗鬆症リエゾンチーム」を設立し、井上裕久院長を中心とした各メディカルスタッフが連携して治療に取り組んでいます。当院では、日本骨粗鬆症学会認定の「骨粗鬆症リエゾンマネージャー」6名(看護師4名、理学療法士2名)を中心として治療を行っています。

骨粗鬆症とは、「骨の代謝の異常により、骨の量が少なくなり質が衰えることで骨が脆くなり、骨折しやすい状態にある全身的な骨の疾患」です。日本では、約1,300万人の患者がいると言われ、特に女性が多いのが特徴です。

骨粗鬆症の原因は、下記の通りです。

1. 加齢による骨の量の減少  2. 女性ホルモン(エストロゲン)の欠乏

3. カルシウムの摂取不足  4. 喫煙習慣あり  5. お酒の大量飲酒

6. 痩せている人  7. 運動不足  8. ステロイド服薬歴がある

9. 関節リウマチがある  10. 本人、または家族の大腿骨近位部骨折 があります。

骨は、古い骨を壊し(骨吸収)、新しい骨を造る(骨形成)という新陳代謝を繰り返しています。20代までに人生における最大骨量を迎え、加齢とともに骨の量は減少していきます。特に、女性は閉経を迎えると女性ホルモンである「エストロゲン」が欠乏し、骨密度が急激に減少しやすくなります。すると、転倒やちょっとした動作で骨折しやすくなってしまい、再び骨折を生じるリスクが高くなり「骨折の連鎖」を引き起こしてしまいます。

ガン・脳卒中・心筋梗塞など、直接的に生命を脅かす病気と比べると、骨粗鬆症は比較的ないがしろにされやすい病気です。「骨折だけで済んで良かった」という声はよく聞きますが、「脳卒中で良かった」「心筋梗塞で助かった」という声は聞くことはありません。

特に、椎体骨折や大腿骨近位部骨折は、寝たきりや介護が必要となる大きな原因となっています。骨粗鬆症は「健康寿命を短縮」してしまう恐ろしい病気なのです。

骨粗鬆症の診断手順は、1.脆弱性骨折の有無、2.レントゲン・CT・MRIによる画像診断、3.骨密度検査を行います。診断後は、骨代謝マーカー(TRACP-5b・P1NP)を測定し、治療方法を選択していきます。

脆弱性骨折とは、軽微な外力によって発生した非外傷性骨折のことで1.椎体骨折、2.大腿骨近位部骨折、3.橈骨遠位端骨折、4.上腕骨近位部骨折があり、「高齢者の4大骨折」と言われています。

今後、二次骨折・三次骨折を防ぐためにも、服薬指導・運動指導・栄養指導といった総合的な治療・指導を行っていきます。